女であるということ

悪い女ほど、清楚な服が、よく似合う。

眠れない夜には。

眠れない夜は、今日の後悔が溢れ出す。

同僚に気の利いた返事をしていれば、あの時の動き方は自分本位だったんじゃないか、誤解を招く言い方をしてしまったんじゃないか。

小さな振り返りが積もり積もって今日の後悔になる。大人になったら誰も慰めてくれないんだよな。

眠れない夜に子守唄を歌ってくれるような人もいないし、そもそも子守唄って歳でもないくらいには大人になってしまった。

いや、年齢だけ重ねてしまっただけで、本質的には大人になっていない気がする。今だって大人になりたくないし、子どもの頃に戻りたい。永遠のモラトリアムに陥っているのだ。

この先は自分の意思でいつだって大人になれることを知っている。その代わりに、一度大人になってしまえば子どもに戻ることは出来ないことも知っている。

このモラトリアムの時間を終えれば、また外を駆け回って遊んだあの日の夜のように、朝が来るのが楽しみになるのだろうか。